ずるい想い
三成がおねね様への想いを馳せていたのは知っていた。しかし知らぬ振りをし、おねね様にお慕い申していたのは俺の方だ。初めは母と思い、その慈愛を好いた。次第に母から女性へ変化していったのはもう遠い昔。秀吉様と共に戦い、俺たちの世話までしてくれたあ…
FANTEXT 戦国無双 豊臣軍清正×ねね
風邪の日
頭が割れるように痛く、喉が焼けるように熱い。そう感じたのは一刻前。たいしたことなどないと放っておいたのが間違いというもの。 次第に力をなくし、遂には目の前が暗く視界を遮ってしまうのだった。風邪の日時間がどれだけ過ぎたか分からない。しかし分か…
FANTEXT 戦国無双 豊臣軍三成×ねね
素直という名が無いのが憎い
ここまで自分の性格を憎んだことがあるだろうか。素直という名が無いのが憎い「三成、こんな夜にこんな所に居たら風邪を引くよ?」「……おねね様、ですか」「あれ? 何だか覇気がないねぇ。 どうかしたのかい?」「おねね様には関係ありません…
FANTEXT 戦国無双 豊臣軍三成×ねね
甘えでも貴方が居ないと自分は動けない
筆の擦れる音がする。しばし止まるとふぅと言う溜息と共に、次は和紙が強く潰される音がした。ふと目を開けてみれば、頬杖を付き眉を顰めた夫。「お前さま……」「おぉ、ねねか! どうしたんじゃ?」その表情が気になり声をかけてみると、秀吉は…
FANTEXT 戦国無双 豊臣軍秀吉×ねね
奪いたいという気持ち
あのお方は一体何を考えているというのだ……!自分の主への妻であるが、三成は声を上げて愚か者と叫びたい気持ちで一杯だった。床が抜けるやもしれないほど力強く足音を鳴らし、秀吉の元へと足を進める。冷静を保てずに、襖を乱暴に開けると驚い…
FANTEXT 戦国無双 豊臣軍三成×ねね
佐吉とおねね
「こらっ! お虎に市松! 何してるんだい!」「お…おねね様!?」 佐吉とおねね 少し離れたところからその声が聞こえると、慌てた様子で虎之助と市松は俺の腕から手をといた。虎之助達が怒られているのを一瞥した後、先ほどまで捕ま…
FANTEXT 戦国無双 豊臣軍三成×ねね