三成×ねね

風邪の日

頭が割れるように痛く、喉が焼けるように熱い。そう感じたのは一刻前。たいしたことなどないと放っておいたのが間違いというもの。 次第に力をなくし、遂には目の前が暗く視界を遮ってしまうのだった。風邪の日時間がどれだけ過ぎたか分からない。しかし分か…

素直という名が無いのが憎い

 ここまで自分の性格を憎んだことがあるだろうか。素直という名が無いのが憎い「三成、こんな夜にこんな所に居たら風邪を引くよ?」「……おねね様、ですか」「あれ? 何だか覇気がないねぇ。 どうかしたのかい?」「おねね様には関係ありません…

奪いたいという気持ち

 あのお方は一体何を考えているというのだ……!自分の主への妻であるが、三成は声を上げて愚か者と叫びたい気持ちで一杯だった。床が抜けるやもしれないほど力強く足音を鳴らし、秀吉の元へと足を進める。冷静を保てずに、襖を乱暴に開けると驚い…

佐吉とおねね

「こらっ! お虎に市松! 何してるんだい!」「お…おねね様!?」 佐吉とおねね 少し離れたところからその声が聞こえると、慌てた様子で虎之助と市松は俺の腕から手をといた。虎之助達が怒られているのを一瞥した後、先ほどまで捕ま…