戦国その他

紅の香り

紅の香り「半兵衛。 ねぇ、半兵衛ったら」「何ですか、お濃様」書物を読んでいたのを邪魔された欝陶しさから、半兵衛は少し気怠い様子で生返事をした。その態度を不快に思うどころか、満足そうに艶やかに濃姫は笑う。それは魔王と呼ばれる信長の妻に相応しい…

お節介

「ええい! 離せっ! 離さぬかっ!」「そうはいかないよ。 うちの人の所へ来た子は私の子も同然! 放っておけないよ」「それが迷惑というんじゃっ! 馬鹿め!」「気を使わないでもいいとは言ったものの、まさかこんな腕白坊主が隠れていたとはね」「坊主…